非正規雇用:雇い止め、失職8万5000人 先月から2.8倍--厚労省調査 [雇用]
厚生労働省は26日、来年3月までの半年間に、解雇や期間満了による雇い止めで職を失う非正規雇用従業員が8万5000人を突破するとの調査結果を発表した。初めて調査した先月28日公表分の3万67人に比べ約2・8倍に悪化した。就職内定を取り消された大学・高校生も769人になり、先月調査の331人から約2・3倍に増えた。不況の深刻化で雇用情勢が急速に厳しさを増していることを示す結果になった。
厚労省によると、今年10月~来年3月に派遣・期間労働者など非正規従業員の解雇や雇い止めを実施したか、予定しているのは1415事業所で、対象総数は8万5012人。うち5万2684人は年内に失業する。また、少なくとも2157人が住まいを失い、5万人については住居の状況が把握できていない。業種別では製造業が8万1240人と全体の95・6%を占めている。
雇用形態別では▽派遣労働者5万7300人(67・4%)▽期間労働者など1万5737人(18・5%)▽請負労働者7938人(9・3%)▽その他(パートなど)4037人(4・7%)。
契約期間中の解雇は3万8792人で、期間満了後、更新されない雇い止めは3万8553人、不明が7667人。派遣は契約期間中の解雇が雇い止めを7000人以上上回り、雇い止めが圧倒的に多い期間労働者との違いが際立っている。
都道府県別では、自動車関連産業などが集まる愛知県が1万509人と最も多く、続いて▽長野(4193人)▽福島(3856人)▽静岡(3406人)などの順だった。
一方、就職内定を取り消された来春の卒業予定者は、大学生が632人(前回調査302人)、高校生が137人(同29人)だった。高校生の増加が目立ったが、高校生は就職活動の開始が9月以降のため、影響が表れるのが遅くなったとみられる。
業種別では不動産業の197人が最多で、次いで製造業の187人だった。内定を取り消した172事業所(前回87事業所)が明らかにした理由は「経営の悪化」が137事業所で最も多く、「倒産」が30事業所だった。
厚労省は「前回調査から短期間で急激に雇用情勢が悪化した。年度末は期間労働者の期間満了が増えるとみられ、対策に力を入れたい」としている。
毎日新聞 2008年12月27日
2008-12-27 16:52
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